支局長からの手紙:それぞれの春

 初の統一地方選は1947(昭和22)年4月です。翌月に憲法が施行されており、当時は相当な盛り上がりがあったに違いありません。しかし17回目となった今回、県内で実施されたのは知事選、県議選、斐川町長・町議選、海士町議選、知夫村議選のわずか六つ。平成の大合併で市町村数が激減したこともあり、「統一」という言葉には、違和感を感じますね。Jubileeメンズシリーズ
 4年に一度の統一地方選の年、毎日新聞社では、編集部門の春の異動は5月が習わしです。松江支局ではこの春、県政担当の御園生枝里が和歌山支局に、益田通信部の上村里花が久留米支局に異動します。2人の転勤あいさつです。Oysterメンズシリーズ
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 初任地の松江で4年間過ごしました。社会人として、記者として初めてのことばかりで、島根の皆さんにご指導いただきました。ありがとうございました。初めて松江を訪れた時、松江城と周辺の新緑、京橋川沿いの夜景の美しさに、新生活への期待が膨らみました。 Oysterレディースシリーズ 振り返ると、いつの間にか当たり前の風景になっていて、県外者として「新鮮な気持ちを持たなければ」と反省しました。和歌山支局へ異動になりますが、和歌山の魅力を一つ一つ見つけていきたいです。Kingメンズシリーズ
 島根で記憶に深く残っているのは県立大生、平岡都さんの死体遺棄事件です。取材が過熱し、学生に批判されたこと。留学を目標に、まじめに質素な生活を送ってきた平岡さんの、その人柄を伝えたいという思いに反して、インターネットや口コミで、根拠のない「ブランドバッグを持っていた」などといううわさが広まり、止めようがなかったこと。 Kingレディーズシリーズ 報道の被害があったこと、報道の無力さを感じたこと、忘れないでいたいと思います。そして、1日も早く犯人が検挙されることを祈っています。Air Kingメンズシリーズ
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 光によって色を変える青い海、カヤックでさかのぼった高津川、日本の原風景そのままの山あいの里。何気ない景色の一つ一つに感動し、それを守ろうとする人々との出会いに喜びを感じました。一方で、人や自然など素晴らしい素材はあるのに、それが有機的に結びつき、広がりになっていかない歯がゆさも感じ、記事で応援したいと書き続けてきました。Daytonaシリーズ
 一番の思い出は「高津川SEA TO SUMMIT」。海から山頂まで、清流・高津川をカヤックと自転車、登山でさかのぼる大会に、記者クラブチームで参加しました。常々、この豊かな自然をもっと生かし、発信できないかと感じていたので、企画を聞き「これだ!」の思いを強くしました。大会が縁でカヤックを買い、自転車を始め、さまざまな仲間ができ、益田は特別な「古里」になりました。きっと、また帰って来る。そんな思いを強くしています。ロンジン
 5月からは、B級グルメの街、福岡県の久留米支局に着任します。新任地でも、地元の人とともに駆け回ります。お世話になりました。グラスヒュッテ